「新マテリア・メディカ」の紹介

ホメオパシーレメディの変わり種として良く紹介する「ベルリンの壁」。このレメディの出所っぽいのがこの本のようです。
新マテリア・メディカ (ホメオパシー海外選書)

著者のコリン・グリフィスは英国のホメオパスだそうですが,著者略歴がとらこちゃんのものしか書いていないので良く分かりません。
プルービングの中心として監督したのは「ホメオパスでもあり訓練を積んだ霊媒でもあるジャニス・ミカレフ」さんだそうです。この人は「ベース・チャクラ」やら「内分泌腺のエネルギーセンター」やらが好きな人のようです。この人の元で,主にそのビリーバーさん,ヒリオスファーマシーの瞑想グループ,ギルド・オブ・ホメオパスの大学院生のグループさんたちが「プルービング」したそうです。

この本ではマテリア・メディカとして新しい物質を36種類「プルービング」しています。

  1. アメリスズカケノキ(Acer Pseudoplatanus/Sycamore Seed)
  2. セイヨウトチノキ(Aesculus Hippocastanum Album/White Chestnut Flower)
  3. 紫水晶(Amethyst)
  4. アヤワスカ(Banisteriopsis Caapi/Ayahuasca)
  5. ベルリンの壁(Berlin Wall)
  6. セイヨウシラカバ(Betula Pendula/Silver Birch)
  7. 黒曜石(Black Obsidian)
  8. ブッドレア(Buddleia Davidii/Butterfly Bush)
  9. シデ(Carpinus Betulus/Hornbeam)
  10. 金魚(Carassius Auratus/Goldfish)
  11. チャリスウェルの泉水(Chalice Well Water)
  12. 粘土質の土(Clay)
  13. ヘーゼルナッツ(Corylus Avellana/Hazel)
  14. エメラルド(Emerald)
  15. エリンジウム(Eryngium Martimum/Sea Holly)
  16. ムラサキブナ(Fagus Purpurea/Copper Beech)
  17. セイヨウトネリコ(Fraxinus Excelsior/Common Ash)
  18. ゴールデンベリル(Golden Beryl/Heliodor)
  19. セイヨウヒイラギ(Ilex Aquifoliumm/Holly)
  20. 黒玉(Jet)
  21. クロゴケグモ(Latrodedctus Mactans/Black Widow Spider)
  22. セイヨウシミ(Lepisma Saccharina/Silver fish)
  23. ミミズ(Lumbricus Terrestris/Earthworm)
  24. モルダバイト(Moldavite)
  25. 月長石(Moonstone)
  26. ハス(Nelumbo Nucifera/Lotus)
  27. オクバカ(Okubaka Aubreville)
  28. 樫(Quercus robur/Oak)
  29. 虹(Rainbow/Spectrum)
  30. インカローズ(Rhodochrosite)
  31. ローズクォーツ(Roze Quartz)
  32. ルビー(Ruby)
  33. ポッキリヤナギ(Salix Fragilis/Crack Willow)
  34. 白檀(Santalum album/Sandalwood)
  35. 胸線(Thymus gland)
  36. 英仏海峡の海水からつくった塩(Winchelsea Sea Salt)

新マテリアメディカp.23

プルービングの決まり事
それぞれのサークルは同じ体裁で瞑想を行った。グループは月1回、金曜の朝に集まり、ジャニスの手によって進められた。いすを円座を成すように並べ、ジャニスのいすは東を向くように配置する。すべてのメンバーにいすを割り当てる。レスキューレメディーの入った水が与えられる。各セッションのために用意したレメディーは、いつも円座の中央に瓶入りの粒かチンキの形で置かれる。また、中央には守りやチャネリングの道具として水晶が置かれることが多い。1セッションは4時間ほどまで続く。この間メンバーは、同志の成すエネルギーの全体が壊れないように、そこを去らないよう求められる。

まあこんな感じで始めて,そういうスピリチュアルな手順を踏んで「プルービング」するそうです。

同書pp.25-26

これらのレメディーはどのようにして作ったか?
(略:植物はアルコールに浸す)
結晶のレメディーの製法はずいぶん異なる。Rose Quartzは例外で、結晶のエッセンスをポータイゼーションしたものと、通常通り摩砕され振盪されたレメディーとがある。またBerlin Wallも例外で、通常通り摩砕され振盪されたものだが、その他のすべての結晶のレメディーはエッセンスをポータイゼーションした。これらのレメディーは最初に結晶を水に浸す事でそのエッセンスをつくり、そして太陽光の下にさらした後に振盪するか、あるいは透明な水晶の結晶を使った別の工程で作る。このレメディー調剤の別法を用いたのがJet、Moldavite、Moonstone、Rhodochrosite、Rubyであり、下記の要領で行った。

  • エタノールの瓶を太陽光の下にさらす。
  • エタノールに太陽エネルギーを誘導するべく、そこから数インチのところに透明な水晶の結晶を先端がエタノール瓶を向くように置く。
  • それらの間にエッセンスにしたい結晶を置く。
  • こうして準備したものを最長2時間、太陽光下に放置する。
  • 得られた「エッセンス」を通常の方法でポータイゼーションする。

いやー,やっぱり結晶もののレメディーは作るのも大変ですね。(棒読み)


同書p.119

Berlin Wallは、原物質であるベルリンの壁が崩壊した後の破片からつくられている。破片はコンクリート片と石と青く塗られたセメント片の合成物である。ベルリンの壁はコンクリートとセメントとレンガと第二次世界大戦時の破壊的な爆撃後に残った建築物の硬い核から作られていた。ベルリンの壁のかけらはイギリスに運ばれ、珍品として著者の手に渡った。そしてそれは引き出しの奥にしまい置かれていたが、1年近くたったときに著者の中にその塊に何らかの波動的な特性(すなわちレメディーとして使える可能性)があるかどうか確かめたいという衝動が起こったため、著者はその塊をある能力者に見せる事にした。

Berlin Wallってコリンさんの思いつきから生まれたレメディだったんですね。さてさて,ホメオパスであるコリンさんが頼りにした「能力者」とは…

同書p.119

その能力者は、物体に触れてその波動を読む事で情報を得るサイコメトリーという能力を持っており、また経験が深く信頼されているホメオパスでもある。何の説明も情報もなしにその塊を見せたとき、能力者は直ちに反応した。恐怖とパニックと苦悩の状態が現れ、急性の喘息発作に襲われたかのような呼吸困難が認められた。誓って、この能力者にはこのベルリンの壁のかけらについての知識は事前に与えられていなかったのである。

…大変ですねぇ。珍品コレクターがいる度に喘息発作並の苦痛に悩まされる能力者ですか。「ベルリンの壁」と伝えていないと強調していますが、ホメオパスが能力持ちのホメオパスに「見てもらいたいものがある」と言って見せたんですよねぇ…

ええと…金魚のレメディとかもなかなか激しい作り方してますねぇ。

同書p.193

Goldfishのレメディーは、ヒリオス・ファーマシーのスタッフが地元のペットショップで購入した「コメット」という一般的な種類の金魚からつくられている。水槽の水に徐々にエタノールを加えて金魚を麻痺させていった。この金魚が死んだ時、ファーマシースタッフの多くが心を動かされ、涙を流したと報告されている。水槽の水は、金魚が死んでから2週間とどめ置かれ、レメディーはその水からつくられた。

…あー。そうですね。水やアルコールに浸して作るんですものね。確かにそういう作り方なんでしょう。この段落の直前までは「家畜的に変異体の発展が促され」とか「野生種がことのほか食用に向いている」なんて書いたわりに品種選択が適当ですね。